上がりの自転車
2017.04.21
こんにちは! 坂本ラヂヲ株式会社 代表取締役の坂本雄一です。
皆さまお待ちかね、 当ブログの名物連載(?)「上がり(あがり)の○○シリーズ」の第2回です。
今回は「上がりの自転車」について書いてみたいと思います。
※画像はイメージ。デローザ公式サイトより。
「上がり」というのは、すごろくの「アガリ」と同じで「最後のひとつ」という意味。
ですから、上がりの自転車と言えば、「最後に買う1台」ということになります。
ちなみに、僕の自転車遍歴については前回のブログで書いているので、ぜひ、そちらもご覧ください。
では、さっそく本題へ。
「上がりの1台」を決めるにあたり、まずは自転車の最も重要なパーツであるフレームについて考えてみましょう。
まず、フレームの形状についての個人的なこだわりを少しお話しましょう(笑)。
僕が好きなデザインは「ホリゾンタルフレーム」というトップチューブが地面と平行になるものです。
サイズが1cmきざみで作られることが多く、「S・M・L」のような大雑把なサイズでつくれば済む「スローピング・フレーム」に対して、メーカーの手間は増えますが「ホリゾンタル・フレーム」の方が美しいと思うのです。
次に、フレームの素材についてです。
大まかに金属系(クロモリ、アルミ、チタンなど)と炭素繊維(カーボン)の2つに分かれます。
そして、言うまでもなく、速度を求めるロードバイクにおける現在の主流は軽量なカーボンです。
そのため、このカーボンフレームは変化が激しく、各社が毎年のように新作を繰り出してきます。
そして、それはコンマ数秒を競うような選手であれば重要なことなのかもしれませんが、大半の人にとってはファッション・トレンドと同じ程度でしかありません。
2017年になったら「なんとなく2016年て古いよね」という感じで買い替えさせるためにメーカーが言ってるだけでしょう(笑)。
なので、最新の流行を追い続けると疲れてしまうわけです。
でも、古い物にはそれがない。
枯れた技術の世界ではトレンドではなく、物づくりの本質で勝負するという精神があるように思えるのです。
ロードバイクのフレームの世界でも、「古い側」に属する金属系には時代を超える価値を持つものがたくさんあります。
ですから、「上がりの1台」は金属フレームを選ぼうと、決めていました。
中でもデザインの美しさに定評のあるイタリア製こそ、僕の「最後の1台にふさわしい」と信じています。
そこで選んだのがDE ROSAI(デローザ)というメーカーです。
ここの創業者ウーゴの息子であるドリアーノ(現在は独立した)は、チタンフレーム作りの名人として世界中に名を知られる存在です。
古くなっても、決して「古臭く」ならない、そんな1台を選ぶなら彼が作ったチタンフレームこそがベストでしょう。
何十年か経ってロードバイクに乗れない歳になっても、僕はこのフレームを見ているだけで美味しいお酒が飲めるはずです(笑)。
さて、そんなわけでデローザ『チタニオ』のホリゾンタルフレームをオーダーしたのは3~4年前のことでした。
※画像は筆者撮影
その後、半年くらい楽しみに待っていたのですが、なかなか届きませんでした。
そして、1年位して忘れたころ、やっと手元に到着しました。
販売代理店に「なんでこんなに遅くなったの?」と文句を言ったところ......その説明がなんとも傑作!
いわく「ドリアーノさんが離婚しちゃいまして......失意のどん底だったので、新しい恋を見つけるまでフレームが作れませんでした」とのこと。
あまりにもイタリアらしすぎる理由。
もう、ホントかウソかもわからないけど、なんかこの説明で許せちゃうところがイタリア人のズルさです(爆笑)。
ちなみに、デローザのカタログか何かで読んだ「塗装職人のエピソード」もなかなかです。
「俺はライバルメーカーが台湾につくった塗装工場の見学に行ったことがある。そしたら驚いたね、彼らの塗装は1ミリだってズレない。でも、俺たちにはムリな話さ。だってワインを飲みすぎた翌日は、どうしたって手元がズレるだろう?」
いやはや、イタリア人にはかないません(笑)。
さて、フレームに次いで重要なパーツであるコンポーネントはCampagnolo(カンパニョーロ)の『スーパーレコード』を選びました。
もちろん、日本製のシマノも間違いなく良い物なんだけど、イタリアのフレームにはイタリアのコンポーネントじゃないとね(笑)
カンパニョーロはツール・ド・フランスなんかに出る選手も使う物で、ハイエンドモデルは軽さを突き詰めていることもあり、長持ちしないという意見も聞かれる製品でもあります。
でも、その脆さが切ない感じでいいか、なんて思っちゃたりもします。
そんなわけで、この他にもいろいろとこだわりを満載した結果、自動車が1台買えるくらいのお金をかけた「自転車」が完成してしまいました(笑)。
これでもかというくらいイヤミな組み合わせになっていますよ(爆笑)。
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