製品原価と販売価格
2015.06.02
今日は少し硬い話題を。(笑)
皆さん「製品の原価」に対して興味ある人多いですよね?
女性に人気の有名ブランドのバックなんかに関して「素材はビニール製で原価なんか安いんだよね・・・」
こんな話を時々耳にします。また幾らで仕入れて幾ら利益を出しているか?なんて話皆さん好きですよね?(笑)
大きなお世話ですが私も時々お店なんかに行くとつい計算してしまいます。
ここで言う「原価」って一体何を指すのでしょうか?
例えば一般的な電気製品を例にとって考えて見ましょう。
販売店であれば仕入価格があります。店舗運営に必要な人件費や家賃や光熱費に店舗の利益を仕入れに足して販売してます。
販売店に製品を納品しているのがメーカーです。SONYやPANASONICなどのブランドですね。
極小規模ながら弊社もここに入ります。
工場に委託している場合は工場からの購入価格です。最近は工場を持たないメーカーが殆どです。
大手のメーカーでも海外の工場に生産委託をしているところが多いですね。
アップルなんかもそうですがデザインや製品の企画マーケティングはメーカーで行い製造は委託してます。
そこでメーカーは要求仕様なんかを決めて工場に見積もりをもらいます。そのコストでOKであれば生産が開始します。
そのコストには金型なんかも入ります。(たい焼きの小麦粉を流し込む所みたいな物です)
金型は売れる予定数で割り一個当たりのコストに上乗せされます。
すんなりOKがでる事は少なく仕様とコストのせめぎ合いが発生します。
営業やらデザイン部門やら製造部門やらで喧々諤々です。(笑)
そして特許料金やら外注デザインであればデザイン費用なんかも加味されます。
ここまでが工場からの原価というかコストです。工場も利益を出してナンボですから利益を乗せてます。
さてここから販売です。
販売店との商談を行い幾らくらいで販売店に仕入れて頂くか?広告宣伝費用をどの程度掛けてPRしてくのか?
そしては販売計画通りに販売出来れば良いのですが売れ行きが悪い場合はメーカーにとっては恐怖の「値引」
が発生します。これを行わないメーカーなんかも最近は多いですね。(笑)
10%引いて売れなければ20%と段々と大きくなり最後は50%オフ!!なんていう張り紙が出ます。
それでもダメな時は回収して廃棄です。この廃棄のコストまでを見て製品の値付けがされている訳です。
単純にコストの積み上げだけでは済まされないんです。
販売店側も売れないで残ったらメーカーに返品します。ビジネスは買取という形式を取りますが事実上「委託販売」に近いです。
余談ですがこの値引のパーセンテージなんかもメーカーと商談して決めます。販売店が勝手に自分達の利益から値引しているような
イメージですが実は販売店は通常値引後の価格から一定の利益率を確保してます。
要は値引販売をしても販売店側はあまり痛くないということです。(単価下落するので実質少しは影響ありますが)
販売店とメーカーの力関係が昔とは逆転してきてます。
独禁法なんていう過去メーカーが強かった頃の法律がいまだにまかり通っているんで色々は歪が発生してます。
その辺りの話はまたの機会に!
ああ・・・業界のこんなことまで書いていいのかなあ・・・・(笑)
※画像はイメージです。